あけましておめでとうございます。
一年過ぎるの本当に速いなぁ~と毎年言っている友安です。
ニューヨークからお届けしてます。
2021年は色々な事がありましたね。何よりやっぱり人間は未来を読むことができないんだなと心の底から思った一年でした。なぜかと言うとコロナが始まった2020年3月株の暴落がありました。僕は第一弾で株が下がった時に株を購入しました。一時そこから30%ぐらいDowも下がり、TVをつけてもYoutubeを見てもいい話を聞くことはありませんでした。本当に世界恐慌が起こると僕は思ってました。そして物が売れなくなり超デフレの世界になると思ってました。これは僕だけじゃなく多くの人が思っていたと思います。(余談ですが僕の株の結果を言うと急上昇の途中で利確をしてすべての株を売却しました。)ここで何が言いたいかというと、未来を読んで行動するということがいかに難しいか。もっと言うと意味が無いかです。僕は未来を読むことよりその時の環境、環境に応じて対応していくことの大切さを学んだ一年でした。
2020年はロックダウンの年で2020年の上半期は都市部やレストランの売上が完全にストップしてしまい、多くの問屋さんが過剰在庫に陥り多くの廃棄を出した年でした。この時、在庫処分や売上確保の時に色々な施策を打ちましたが止まってしまった市場から売上が上がることはありませんでした。その反面、郊外のスーパーマーケット、住宅地にあるスーパーマーケットは活況を迎えておりました。スーパーマーケットは毎月記録的な売上をたたき出しておりました。この時事業の多角化がいかに大事であるか学びました。
今思うと2020年は人の行動を見るうえでは大変シンプルで分かりやすい年であったと思います。多くの人が家にこもり、不要不急の外出を避け、人と会うことを避けた年でした。その為、スーパーマーケットやECの売上が絶好調で、少しでも広い家に住み、快適に暮らしたいと多くの人が街から郊外に移住しました。僕も郊外に移り住んだ人の一人です。
それでは2021年はどうだったかと言いますと。
2021年は流通業界は大混乱でした。そして今日2022年1月1日の時点でも全く改善されておりません。2021年は一言で言うとZaiko (在庫) Is Kingの年でした。
アメリカでは経済が戻ってレストランも活況を迎えておりました。リモートワークの影響が続く中スーパーマーケットも引き続き好調。しかし、在庫が無いんです!海運の混乱が2021年の初めごろから始まり、物が思うように入ってこないんです。僕はロジスティクスの友達がいて頻繁に意見交換や情報交換をしていた為あらかじめ在庫を多く発注してもらうように問屋さんに話していたのですが、問屋さんは2020年の過剰在庫の記憶が鮮明に残っていた為、思い切った発注をすることができませんでした。それでも少し多目に発注をしてもらった為、私が担当している商品は約1カ月遅れぐらいで欠品になったのを覚えてます。
少し40ftコンテナの価格を話しておくと、アジアからニューヨークまで1コンテナを運ぶ運送料はコロナ前は約$3,000 (1$100円換算すると約30万円) でした。それがどんどん高くなり、現時点で$15,000から$20,000(約150万円から200万円)に高騰しております。食品メーカー、特にドリンクやスナック等単価の安い商品を運ぶ場合この運送料を払うことが出来ず商品をもって来れないというのが現状です。裏を返すと在庫があれば売れるんです。年配の人が戦後の闇市みたいだなとよく言ってます。物があれば売れるんです。実際に在庫があるクライアントさんの売上は1.5倍から2倍もしくはそれ以上売上が伸びた年でした。まさにZaiko Is Kingです。これらのことを踏まえてもインフレがまだまだ進むというのは火を見るより明らかです。
どこかのタイミングで運送費が下がり始めた時にコストの高い在庫を持っていると不利になる為、この混乱がどのタイミングで沈静化していくのかというのは今後しっかり見極める必要があります。その為、未来は読めなくても各業界の最新情報は本当に大事です。
もう一つ経営を圧迫する大きな要因として人手不足があります。コロナをきっかけにキャリアを変更した人が大勢いる。政府の支援があるから多くの人が家から出ないなど聞きますが、なんせ働く人がいないです。レストランやスーパーマーケットで人材不足が深刻です。いくら求人をかけても応募がこない。給料を高く提示しても来ない、もっと支払うことが出来る会社や業界に人が引き抜かれる。そんな状況が続いたまま終わった2021年でした。
2022年どうなる。分からないというのが正直な意見です。予想してみるとすると、リモートワークは変わらず続く為、スーパーマーケットの売上は2021年並み。インフレが続く為、売上としては2021年以上になる。運送費が高止まりは直ぐには戻らない為、2022年の間は変わらず運送費が高い。コンテナの混雑の改善は今年の半ばぐらいにはひと段落するのではないかと思っているが、2021年小麦などコモディティが超不作だったことを考えると農作物をアジアに送るコンテナの本数が思うように伸びず、コンテナ不足がまだまだ長引く可能性は有り。これらのことを踏まえて2022年は2021年と同じように混乱期であり、Zaiko Is Kingが続く。その為、メーカーが商品値上げするもしくは、運送料を販売先の問屋さんと折半するというのが解決策になってくるとみている。商品供給をいかに続けられるか、メーカーの一番ベーシックな仕事が今年も第一課題である。
今年もチャレンジングな年になりそうですが挑戦に打ち勝つのが楽しいじゃないですか。2022年、挑むところです!